ヒトの感情や行動の原理に興味を持ち、大学院で神経科学を専攻。その後、すべての人が「よく生きる」を実現できる社会を目指す理念に共感し、新卒で株式会社ベネッセコーポレーションに入社。行政向けに教育事業を提案する営業に従事した後、現在は小中学校の教育活動を支援するソフトウェアのマーケティングやカスタマーサクセスなどを担当。その他、一般社団法KOREWOKINIに所属し、対話型の内省ワークショップ“korecolor”の運営責任者やソーシャルバー“KOREWOKINI flat”の運営を行っている。
教育業界で働くかくちゃんのこれまでと現在。自己変容を求めてコーチングへ
——これまでのご経歴について教えてください。
ベネッセコーポレーションという教育系の会社に新卒で入社し、公立の小中学校で先生や児童生徒が利用するアプリケーションの営業を4年ほど経験したあとに、同部門のマーケティング部署に異動しました。現在の仕事は、児童生徒や先生とのコラボレーションツールやデジタルドリルなどのマーケティングとカスタマーサクセス、子どもの発達特性に応じた学習ができるアプリケーションのマーケティングなどを担当しています。
——コーチングとの出会いや、コーチングを学ぶ前の印象について聞かせてください。
コーチングとの出会いは、一般社団法人KOREWOKINIで活動している時に、ほかのコーチングスクールを出た方がいて、彼女がワークショップを開催していました。そのワークショップに参加したのが、コーチングとの出会いでした。コロナの時期で、環境の変化もあり、コーチングに出会ったことで自分の状況を解決してくれるものなのかもしれないと思ったのがコーチングに興味を持つきっかけになりました。
その当時は大阪に異動した直後、まさにコロナ禍が始まったタイミングでした。異動した翌日から出社も営業もできない状況だったんです。お客様との関係性を大事にしていた私にとって、それができない状況に戸惑い、全く仕事が手につかないような状態が続いていました。加えてプライベートの問題もあり、自分の精神状態をどうにか整えたいと思っていて、そんなタイミングでコーチングに出会いました。
コーチングを始めてすぐに、自分が今の状況を作り出しているという気づきがありました。自分のシャドウと向き合う機会があり、自分の中にあるパターンを変えなければ同じことを繰り返すだろうと感じました。そこで自分を変えるための取り組みを始めました。
——コーチングと出会ってから、THE COACH Academyでの受講に至るまでの経緯について教えてください。
まず、コーチングの概念を知ることから始めました。個人のコーチが行っている勉強会に参加したり、コーチングを受ける経験を通じて、その概念に興味を持ちました。またコーチングのワークショップを手伝うなど、自分自身の変化にどう影響するのかを実感しました。
しかし、自分の中の変化がなかなか起こせないというもどかしさがあり、もっと深く学びたいと思い続けていました。2年間その思いを持ち続け、自分が変わるためにはもっと深く学ぶべきだという感覚から、コーチング受講を決断しました。
自己変容という言葉があるように、常に自分を変えたいという強い思いがあります。特に、コロナ禍の前まではなんとなくうまく生きてこれたのですが、それ以降は壁にぶつかることが多く、自分を変えなければならないと強く感じるようになりました。そのような思いから受講に至りました。
コーチング受講後の自己変容と新たな挑戦
——受講を終えてからはどのような変化がありましたか?
一番大きな変化と言えば、すごく一生懸命やらないといけないとか、あいつには負けたくない、といった思考が自分の中にあることを認知し、その思考を客観的に見るようになりました。
これまではハードワークをして、他者と比較されて評価をされることが普通だと思っていたんです。でも今は、本当にこれが自分が望んでいることなのか、本当に自分がやりたいことなのか考えています。「他者に負けたくない」とか「他者から評価されたい」という思考が強いことで、外側の世界から自分自身を守ろうとしている自分がいました。それ、そんな自分に気づいたことで、自分を守るような言動をしないように心がけるようになりました。これも大きな変化だと思います。
もう一つの変化は、コーチングというものへの見方が変わったことです。受講する前は、コーチングによって何かが解決されるとか、前に進むという感じがありました。でも、受講生やリードの方と話す中で、コーチングだけが全てではない、ということを感じるようになりました。
——変化の後押しになった要素は何ですか?
一番大きな要素としては、受講生たちとの対話ですね。リード陣と話すのも大事でしたが、受講生同士で意見を交換することで、自分の考えをより深めることができましたね。
物事に対する捉え方は多様で、ひとつの正解はない。対話を通して、自分にとっては当たり前だと思って握りしめていたものが、必ずしもそうではないことを認識することができました。
——コーチングを学んだことによる変化は、実生活や仕事にも影響を及ぼしましたか?何か具体的に活かせていると感じることはありますか?
コーチングは実生活や仕事にも効果を発揮しています。身近な場面だと、友達と話している時に自然と傾聴の姿勢になりその場に気づきがうまれることもあります。無意識的にスキルが発揮されたのかもしれないですね。
それと同時に、自分のマインド面も変わってきました。まだ完全ではないですが、自分を出していく過程で何かを受け入れるというマインドに変わってきています。恐れずに自分を出していこうと思うようになりました。自覚的に他者を怖がる自分に気づき、その恐怖を意識的に受容しようとするようになりました。
他にも、クレーム対応のスキルが自然と身についたように思います。以前は、怒られてるからとりあえず謝っていましたが、それでは結局お客さんのニーズに応えられず、お客さんが本当に何を望んでいるかわからないまま終わってしまうことに気付きました。だから今では、相手の感情も客観的に認知するように心がけています。他者の負の感情と向き合うのは苦手ですが、お客さんが表面で言っていることの背後にある願いは何なのか、冷静に捉えて対応するようにしています。
学んだこと、見つめた自己、そして望む未来
——改めてTHE COACH Academy全コースを終えた感想はいかがですか?
全コースを修了した今、自分のこれまでの成長や人生を振り返り、人生のOSみたいなものをどうアップデートしていこうかについて考えています。
あとは、自分が表現することで人を傷つけたり自分が傷ついたりすることに向き合っています。他者を意識しすぎて自己表現を抑えてしまうと人生が楽しくなくなってしまいますが、他者を傷つけたくはない。そんな中で自分はどんな選択をしたいか。自分の安心の形を見つめ直す状態になれたことはコースを終えて良かった点だと思います。
——未来のビジョンはどのようなものですか?
話してきたことと少し矛盾しますが、自然体でリラックスした状態で過ごしたいです。その存在だけで周囲に安心感を与えられるような人間になりたいと思っています。人との良好な距離感を保ちつつ、一人じゃない時の自分も大切にしたいです。
——かくちゃんにとって「コーチングマインド」とはどのようなものだと感じましたか?
コーチングマインドは、自分や他人の未来の可能性を恐れず信じるあり方だと思います。自分に正直に、居心地の良い場所で、そうした存在でありたいと願っています。
——最後に、このインタビューを読んでいただいた方へ、かくちゃんから何か伝えたいことはありますか?
一番難しい質問ですね。色んなことを考えた結果、自分でもまだわからないことがたくさんあるし、自分がなりたい自分にもまだ完全にはなれていない。でも、それでもいいんじゃないかと思っています。インタビューを読んでいる方の中には、私と同じように自分がどうしたら良いのか分からなかったり、他人との関わり方に迷ったりしている人もいるんじゃないでしょうか。一度立ち止まって、ぜんぶ疑ってみること。自分自身を根底から見つめ直すのもいいんじゃないかなと思っています。
私自身、コーチングを通じてそういう時間を持つことができました。それは時にしんどいものだったけど、同時にとても楽しかったし、コーチングに救われていたなと思う期間もあります。だから、コーチングなどを通じて自分自身を深める時間を持つことをおすすめしたいです。
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