やまちゃん
東京学芸大学→小学校教教諭→児童発達支援・ライフコーチ/ THECOACH プロコース修了/社会起業家へのコーチングSocial Coaching第4期/教育×SNSオンラインスクール『アトリエ』運営/学校、子育て、療育など子どもに関わる人とお仕事をしたい

自分の想いを素直に話す生徒の姿に感動

——やまちゃんのこれまでの経歴を教えていただけますか?

私は東京学芸大学という教員養成の大学を卒業し、公立の小学校で5年間、教員として勤務してきました。特に低学年の子どもたちとの関わりが多かったですね。

低学年の中には、発達障害や特殊な特性を持つ子どもたちがいて、子どもたちの困り感や特性に気づくことが多くありました。元気のない子がいたり、特性が理由で困っている子がいた時、私は彼らともっと向き合いたいと感じるようになりました。その思いから、5年間の教員生活を経て、転職を決意しました。

転職後は、0〜6歳までの子どもたちがくる「児童発達支援」の施設で働いています。ここでは、発達障害の診断を受けたり、支援の必要があると認識された子どもたちが来所します。例えば、落ち着きがない子、人に関心が薄い子、一人で遊ぶことばかりの子、言葉が出にくい子など、さまざまな困り感を持つ子どもたちとその家族をサポートしています。

児童発達支援の仕事の一方で、ライフコーチとしての活動も行っています。さらに、一般社団法人「まなびぱれっと」の中の事業で、教育×SNSオンラインスクール『アトリエ』の運営も手掛けており、現在はこの3つの活動を主軸として動いています。

——ありがとうございます。コーチングとの出会いについて伺えますか?

新しい学校に移ったとき、6年生の担任の先生が一部の生徒とのやりとりをしているのを見たんです。その生徒は不登校気味で、放課後に先生と何かを一緒に考えているようでした。そして、子どもが自分の思いを素直に話している姿に感動しました。将来のビジョンを持って前向きに取り組む姿勢が印象的だったんです。

放課後にその先生に聞いたところ、彼は大学院で学んだコーチングのスキルを活用してその生徒とコミュニケーションを取っていたとのことでした。ビジョンや現在地を確認しながら、どう進めていくかを話していたんです。

正直、その時までの私の中で「コーチ」という言葉はスポーツの指導者や教える人のイメージでした。そんな中、その先生の話を聞いて、コーチングという独特のスキルがあることを知り、書籍を読むなどして学び始め、実際にコーチングを学びながら、現場でどのように使えるのかを試行錯誤していました。

——先生と生徒のやり取りを通してコーチングと出会われたんですね。

はい。ただ、書籍で学ぶだけでは「できるようになった」という感覚が持てず、もやもやしていました。その時に、いまのマイコーチにSNSで出会い、セッションを通して自分が大事にしたいことやビジョンが明確になってきました。

ビジョンに気づけば、世界が変わる

——THE COACH Academyの受講中、印象的だった学びや気づきを教えていただけますか?

受講を通じて、私は自分の日常生活のあり方や見え方、さらには世界の見え方が変わったことを実感しました。特に、『ビジョンを体現しながら生きる』という考え方に強く影響を受けました。自分の行動や出来事、感じ方とビジョンがどれだけリンクしているかを日々意識するようになり、その結果、日々の生活が変わっていく感覚を得られました。

例えば、普段何気なく使っているコップを取る行為も、その背景にはコップをデザインした人がいて、私がそのデザインを気に入り購入した経緯がある。このように、日常の一つ一つの行動がビジョンと繋がっていると感じることができました。

——何気ない日常の中にもご自身のビジョンにつながるカケラがたくさん見つけられるようになったんですね。

そうですね。その変化を後押ししてくれたのは、100時間のセッションですね。100時間という時間に意味を感じ始めたのは、実際に60〜70時間のコーチングを経験したあたりからだったと思います。ただ時間をこなすだけじゃなく、そのプロセス自体にとんでもない価値があると感じ始めました。その頃から、コーチングセッションをするのがさらに楽しく感じるようになってきました。

——やまちゃんにとって、その変化はどんな意味がありますか?

自分の世界の色を変えてくれた感じがします。新しい色に塗られたということではなく、もともと自分が持っていた色に戻して言ってくれたような感じですかね。より鮮明に、ピントが合うようになっていった気がします。そんな変化を通して、自信を持てるようになりましたし、表現したいことを臆することなく出せるようになってきたようにも思います。

——自分自身の変化について詳しくお話しいただきましたが、実際の仕事や子どもたちとの関わりにおいて、どのような具体的な変化や影響がありましたか?

教育業界や子育ての業界でよく「子どもは可能性の塊」と言います。でも、その可能性を本当に信じられるかどうかは、『自分自身が持っている可能性をどれだけ信じられるか』にかかっていると感じます。

自分が持っている可能性を信じられないと、我慢や制約を子どもたちに押し付けてしまう可能性があると思います。逆に、自分の可能性を信じていれば、子どもたちの可能性を本当に信じてサポートできる。この学びを通じて、日々の生活の見え方や、まわりの人との関わり方が変わりましたね。

子どもの可能性を信じるため、まずは大人が自分を信じるあり方を。

——コーチングを学ぶことは、やまちゃんにとってどんな意味がありましたか?

コーチングを学ぶことによって、自分自身を言葉に出して表現できるようになったこと、そしてそれを通して自分を取り戻せたことは、本当に大きな意味がありました。

自分を取り戻せたとは「ビジョンを体現し生きる」ということです。自分の持つビジョンや目標に対して、それを実際に生活の中で体感し、生きることができるようになったんです。それは、知識を学ぶ以上の価値があると感じています。

セッションを受けることも大事ですが、その中で得られる感覚、例えば「この感覚って何だろう」という疑問や、それが自分のビジョンやサブパーソナリティと繋がる瞬間があります。その時に、それを正確に言葉で表現できるようになると、自分の中での気づきや認識が早まることを実感することができました。

——今後、コーチングをどう活かしていきたいですか?

この学びの「あり方」や「意味」を、教育や子育ての現場に活かしていくことです。僕の接し方や感じ方をすべて伝えることは難しいかもしれませんが、僕と接することから何か伝わってくれれば嬉しいです。特に子どもたちの周りの大人たちへのアプローチが重要だと感じています。彼ら自身が自分の可能性を信じ、子どもに真剣に向き合えるようになるための土台を築くのが大切だと思っています。

——大人が変われば、子どもも変わるということですね。では、どんな人にコーチング学習をおすすめしたいと思いますか?

THE COACH Academyで特に学んでよかったのは「あり方」です。スキルはもちろんですが、コーチングマインドというあり方を重視されているからこそ、じっくり立ち止まって、見つめる時間をとってくれる場所になっていると思います。コーチングのスキルを学びつつ、自分のスキルだけではなくあり方も見つめ直したいという人におすすめしたいですね。

——ありがとうございます。最後に、やまちゃんにとってコーチングとは?

先程お伝えしたことと少し重複しますが、自分の色を取り戻す旅、あるいは自分の心を取り戻す旅のようなものだと感じます。自分の色っていうのは、普段の生活の中で自然と表れるもの。一挙手一投足に全て詰まっているものだと感じます。

社会の中で色々な影響を受けて、自分の本当の色が見えなくなることもある。でも、その真の色を取り戻すと、人生の見え方が変わる。また、どんなものに捕らわれていたのか気づくことができます。

もちろん、捕らわれること自体は悪くはないと思います。大事なのは、その過程を意識して、気づくか気づかないか、取り戻した上でどこへ向かうのか、という選択をすること。この取り戻す過程が本当に重要だと感じています。