とがみん
2019年、新卒で決済事業会社に入社。機能開発における企画から設計開発運用と、一連のプロセスを経験した後、マネジメントの領域へ。数々の失敗を積み重ねる中で、人との向き合い方、自身のキャリアに向き合い始め、コーチングに出会う。THE COACH Academyを受講し、コーチングを通して「愛するということ」を探求。現在は個人の幸福と組織の成長を高次元で両立する組織づくりに向き合う。

抱えていたもやもやと、知的好奇心からアンテナが立った

——まず、とがみんさんの経歴を教えていただけますか?

大学時代から話してみますね。大学時代は情報通信機器の性能向上を目的とした半導体の研究をしていました。大学院に進学したものの、自分は将来どうしていきたいんだっけ?と漠然とした悩みを抱えるようになり、自分の人生に深く向き合った期間でした。深く思考し、仮説を立て、実験し、検証するという研究に対する魅力は感じていたものの、自身が誰かに対して提供していきたい価値は何なのか?にもやもやを感じていたので、幅広い会社をみながら就職活動を進めました。

就職活動中に自身に向き合う中で、幸福度高くあれるような環境づくりに携わりたいという想いに気づき、「組織のあり方」に惹かれた会社に決め、就職しました。就職後はシステム開発の業務をメインに携わり、社会人3年目に差し掛かる頃に、マネジメント業務にも携わるようになりました。

——コーチングとはどのように出会われたのでしょうか?

マネジメントの領域に足を踏み入れて間もなくしてからです。チームマネジメントが思うようにいかず、たくさんの失敗を経験しました。理想に目を向けすぎ、目の前の課題に向き合うこととのバランスが取れなかったり、目的意識が異なるメンバー同士の対立が発生し、カオスな状況がうまれてしまったり…。そんな状況で自分を責め、責任を手放しきれず、プレッシャーが増え続けていきました。大きな挫折を味わった経験でした。

そして、紆余曲折ある中で自分が握っていた責任を手放したとき、メンバーの主体性が増し、生き生きしはじめたように感じました。そこで、理想を描き、メンバーの成長に向き合いながら全体の整合性をとることの重要性に気づきました。

また、自身のマネジメント能力やコミュニケーション能力が圧倒的に足りない感覚に陥ったこと、挫折から感じるようになった人と向き合うことの恐れから、自分のキャリアも含めて今後どうしていきたいんだろうか…と考え始めました。情報収集し、向き合う中で、コーチングと出会いました。

——コーチングのどんなところに惹かれたのでしょうか?

コーチングの「奥深さ」に惹かれました。もともと、哲学的なことを考えるのが好きで、大学院時代に自分の人生に向き合うことに没頭し、深めている時期があったのですが、その熱が再燃しました。

コーチングを知れば知るほど、知的好奇心が湧いてきました。人の本質的な成長とは何なのか?どのように人は成長していくのか?自身に向き合う中で対峙するプロセスを探究したい、そう思うようになりました。

そんな知的好奇心と、当時抱えていたマネジメントへの悩みやキャリアに対するもやもやした感情に導かれ、自然とTHE COACH Academyとの出会いを果たしたように感じます。

自分の心に、気づいて俯瞰し、そして分析する

——実際に学び始めてみて、印象的だった気づきや学びはありますか?

THE COACHが提唱している「インテグレーション・ジャーニー」の考え方はすごく印象的でした。この概念を知り、自分の体験と照らし合わせることで、「人生ってそういうもんなんだ」という実感が湧いてきました。

出会いがあり、試練にぶちあたり、乗り越え、成長する、そして新たな旅が始まる…。自身の状態に気づいて、俯瞰し、分析して問題を捉え、解決して次のフェーズに進む…。その繰り返しの中で精神が成熟していく、

その過程を楽しむために、この世界で生きているんだ、という気づきがありました。

——人生を俯瞰的にみられるようになった感じがしますね。

そうですね。困難なことに出会っても、きっと次のフェーズに進むための布石だと捉えることができるようになったと思います。何に気づけば次に進めるんだ?という感じで、人生を重く考えすぎず、ゲーム感覚で捉えられるようになったと思います。

また、ほかにも印象的だったこととしては、サブパーソナリティやパーソナルセルフという考え方です。自分の中にもいろんな人格が存在していて、それを指揮している自分がいるという考えは新鮮で、それに気づいたときは感動しました。湧き上がってくるさまざまな感情、もやもやに対して、自身のどんな人格がそれを感じているのか?その感情の奥にはどんな願いがあり、何を大事にしているのか?を一つずつ紐解いて捉えていくことで、抱えているもやもやが明らかになり、解消されていくんだという実感を得ることができました。

組織の中においても、学んだ考え方をアナロジーを効かせて転用し、表面的に現れてくる言動の奥にはどんな願いがあって、何をを大事にしているんだろう…など、深く捉えるような意識を持てるようになったことも大きな変化の一つです。

——受講を通して、とがみん自身におきた変化ってありますか?

自分が持つ思考パターンが変わったように思います。これまで、人と向き合う時に感じる恐れを避けようとしたり、悩む時間が多かったりしたのですが、そうではなく、その感情を受け入れた上で、冷静に本来あるべき姿を考え、そのために行動するという思考パターンに変化したように感じます。

その思考パターンによって、自己と他者に向き合い続ける勇気を得ることができました。自身の目の前に発生するどんな問題に対しても、不安や恐れを受け入れつつ挑戦的に捉えられるようになったと思います。

また、自身の「心」を対象として、「気づいて俯瞰し、分析する」ということができるようになったと思います。「いかなる問題も、それが発生した次元と同じ次元の思考で解決することができない」というアインシュタインの言葉にもある通り、問題が発生した時には、「そもそも、なぜその問題が発生したのか?」という問いから一段思考の抽象度を上げ、自身の心が感じていることを俯瞰的に分析することで、前に進むための具体的な行動が見えてくると思います。

今の自分の状態に気づくことで、俯瞰ができるようになるので、まずは気づくことが大事なんだということを、THE COACH Academyでの学びを進める中で、腹落ちさせていった感覚があります。

コーチングを学ぶこと=愛を学ぶこと

——コーチングを学ぶことは、とがみんさんにとってどんな意味がありましたか?

先程お話したように、コーチングと出会うきっかけになったのは、チームマネジメントでの挫折経験があったからでした。その時の私は「孤独感」と「停滞感」にさいなまれていました。人と向き合うことを恐れることで感じ始める孤独感、そして、自分の人生の行先がわからず感じ始める停滞感。コーチングを学ぶようになってから、それらが癒やされていきました。

コーチングを学ぶことは、自分の人生に徹底的に向き合うことだと思います。全ての問題は、「自分が向き合うべきこと」から目を背けることによって発生するんだと思います。それに対し、コーチングを学ぶことで、人生を歩む上でぶちあたる壁に向き合う手段を得ることができました。自身の課題から目を背けることによって感じる「孤独感」と「停滞感」から、向き合うことで感じる「充実感」と「安心感」へ。コーチングはそんな転換を起こしてくれたと感じています。

——すごく大きな意味があったように感じます。では、とがみんさんにとってコーチングとはなんでしょうか?

「愛するということ」そのものだと思います。

自身の成長に向き合い、どんな自分も受け入れること
他者を想い、その人の成長に向き合うこと

それがコーチングのエッセンスだと考えていて、それらは「愛するということ」そのものだと捉えています。エーリッヒ・フロムの『愛するということ』という有名な書籍がありますよね。そこで「愛することは技術である」と語られていますが、まさにそうだと思いました。

コーチングを学ぶということは、「自身への向き合い方を学ぶこと」、「他者の成長への向き合い方を学ぶこと」であり、深く向き合えば向き合うほど、その難しさを思い知りました。まさに、コーチングとは「愛するということ」であり、「技術である」と思いました。

——どんな人にコーチングをおすすめしたいですか?

すべての人に学ぶことをおすすめしたいです。コーチングは人生を充実させていくための必須の教養だと思います。

より多くの人が「コーチング」に向き合うことで、より豊かで幸福度高くあれるような環境が広がっていくと思います。